パマリカン島です。この島の名前だけ聞いて、「あ〜、あそこね」という人はかなり旅行通でしょう。
この島はフィリピンにあります。首都マニラから専用機に乗って南下すること約65分で到着します。この島全部をアマンというリゾート会社が運営&管理をしています。この島の名前よりもアマンプロという名前の方が有名かもしれません。
2009年3月18日から5日間を、この島に滞在しました。
この島がアマンプロで、タイ・プーケットのアマンプリ、インドネシア・バリ島のアマンキラ、アマンダリ、ジャワ島のアマンジオ、ブータンにあるアマンコラほか世界各国にゴージャズなリゾート施設を展開しています。ノ〜ンビリと仕事を忘れて過ごしたかったので、今回、一番近いアマンプロを選んだのでしたが………。

仕事を終えて羽田から関西空港に飛び、ネット予約で格安料金で押さえたホテル日航関西に入るなりバタンキュー。翌朝は9時50分発のタイ航空でマニラへと向かいます。
この時、珍しい経験をしました。昨年もタイ航空を利用したのですが、その時のキャビンアテンダンドとバッタリ! 普通だったら忘れてしまう彼女たちの顔&名前なのですが、その人、Tan*ka.Tさんだけは絶対に忘れられない出来事があったのです(その話を読みたい方はコチラ)。
たまたま私たちの席とは反対側のサーブ担当だったらしく、降機の際に気が付いたから良かったけど、もしも今回も彼女のサーブを受けていたら、旅の出だしから気が滅入ってしまうところでした。

さて、関空からマニラまでは約4時間ほどです。
空港の外に出ると、アマンプロのスタッフが出迎えてくれました。専用機が飛ぶ空港まで、これまた専用の車(ベンツ!)での送迎です。

ドライバーもこんな暑い国なのに、ちゃんと制服を着て、帽子までかぶってます。
マニラの空港近辺は、いつもグッチャグチャの交通渋滞なんですが、渋滞も気になりません。だってご覧下さい、右の写真。車の中は当然、冷房が効いてますが、冷たいおしぼりにドリンク、そしてお菓子付きです!

のっけから圧倒されました。
で、このあたりから私の猜疑心がムクムク。でも、今ここでアーだ、コーだと書くのは止めておきましょう。
車で向かう先は専用機が発着する飛行場です。そこにはアマンの待合室とエルニド行きの待合室が向かい合わせであります。

待合室で待つ間に、ドリンク・サービスしてくれますが、これまたアイス・コーヒーもアイス・ティーもシェーカー使った手作りで絶品でした。待合室は完全にアマンの勝利ですね。
この待合室に入る前に荷物と人の計量をします(右写真)。これはエルニドも同様ですが、重量制限がこちらは少々厳しい。
荷物は一人1個20sまで。オーバーは1sにつき$5、10s超過だと1sにつき$10(!)も摂られます。

旅行者の体重も量られるけど、こっちは重量制限は無いようで、いったい何のための計量なんでしょう? 多分飛行機への総重量を計算するんでしょうけど、お相撲さんが行っても荷物の重量制限が一緒というのは、何となく解せません。
クリックすると着陸シーンが10秒ほど見られます(^_^;) レッドカーペットの上を歩いて、双発のプロペラ機の一番前の席を陣取りました。東側(往路なら左側)の方が景色が楽しめます。しばらくすると副操縦士がコックリ、コックリ居眠りを始めました。自動操縦でもないのに、不安です(-_-;)(左画像クリックすると着陸場面がちょっと見れます)
島に着陸すると、マネジャー夫妻(多分f(^_^;) )とアシスタントが出迎えてくれます。
島はオカリナのような形をした東西に長細い島です。南側は真っ白で微粒子のような砂の浜辺が続きます。島内にはテニスコートやスパ、ベトナム料理が食べられるラグーンクラブ、マリン・ショップ、ダイビング・ショップなどがあります。
各部屋をここでは“カシータ”と呼んでします。
私たちが利用したのはビーチ・カシータNo.17の部屋でした。カシータとは「小さな家」という意味らしいですが、部屋に入ってビックリ! 小さいどころか広すぎて部屋の中で卓球くらいは出来そうです。実際、マッサージを頼んだらマッサージベッドを持ってきて右写真のベッドの前に設置しました。しかも2つです! 
写真の部屋の奥にはさらにバスタブやシンクがあって、荷物をとっちらかしていても全然問題ない広さです(とっちらかしてたら掃除の際にしっかり片づけられてました(^_^;)。
この島ではカートで移動します。レンタサイクルもありました。子供にカートの運転は危ないから、子供たちが移動するときに使うためでしょう。
クリックすると部屋の様子が動画で見られます
(上の画像クリックすると部屋の様子が動画で見られます)

島の端から端までカートで移動して5分ほどかかります。カートに地図はあるのですが何度か道に迷いました。迷っても島ですから問題は無いのですが、夜は少々困りました。
室内にはテレビ、オーディオ(iPodも接続可能)があって、なかなかセンスの良いCDも置いてありました。コーヒー・メーカーもあってエスプレッソが飲めます。冷蔵庫の中には飲み物がいっぱい入っていました。
タオルも当然借りられますが、ここでは島内の施設ではどこでも借りられて、しかも使い放題でした。顔を拭いてポイッ、身体拭いてポイッ、足だけ拭いてポイっとやっても何も言われません。ペットボトルの水も、そこら中で出されます。カートを止めて戻ってくれば、必ず冷えた新しいペットボトルが入れられてます。何だか罪悪感を覚えました。低炭素世界を目指す今のご時世に、完全に逆行しています。
とにかく“贅をこらした”とは、まさにこういうのを言うんだろうなぁ、と思います。フィリピンとは思えない島です(失礼f(^_^;) )。
会ったこともないのに何ですが「叶姉妹や神田うのはこういうの好きかもしれないなぁ」なんて考えてました。人それぞれ好きずきだとは思いますが、私は贅を凝らした物よりも、小さくても、質素でも、心のこもったサービスの方が本当のサービスじゃないかと思うのです。このすぐそばにエルニドというリゾートがあります。ミニロックとラゲンという島があって、私は前者しか行っていませんが、ホスピタリティはエルニドの方が上だと感じました。
それでも美しさはやはりピカイチでした。ミニロックの景観は箱庭的なものでしたが、ここパマリカンは島をぐるりと景色堪能出来ます。
眼前のマナモック島が、まるで設えたように海に浮かんでます。砂浜は目にしみるほど真っ白だし、青や黄色の綺麗な鳥が木々を飛び交ってました。
朝、陽が昇り出せば、ヒィ〜ヨ、ヒィ〜ヨ、キィキィキィなどと鳥の鳴き声(もの凄くうるさい!)や、クェッコ〜!という(結構!って言ってるように聞こえる)大トカゲの声で目を覚まされます。
このような動物たちの(時には迷惑な)サービスが、私は好きです。
この島でガンガン潜るような人はあまりいないと思うので、ダイビング・ログはログ頁に記載します。ここのダイビングは時間で決まっていて、早朝の特別ダイブが8時で、あとは9時、11時、13時、15時、そして特別ナイトダイブの6回です。自分の予定に合わせて事前にダイブ・ショップに予約しておきます。すべてボート・ダイブですが、ダビングポイントは島の周辺だけです。ポイントはあまりありません。ダイビング時間はすべて45分です。エアーがどんなに残っていても45分(時には50分もあったけど)でイクジットします。また、ライセンスがOWだと18b水深をしっかりキープさせられます。

ハナミノカサゴもいっぱいいました。場所によっては5〜7匹ほどが集団でいることも。 普段は上から観るのがほとんどですが、海底にへばりついてローアングルで狙ってみました。ゴンズイの学校です。
体長30pほどのヒトズラハリセンボン。近寄っても逃げないので膨らませてやろうと捕まえようとしたら、やっぱり逃げられました。 ちょっと珍しいミゾレフグの黄色個体。
ハウスリーフの西側ポイント。ハウスリーフには何度か潜りましたが、このような砂地のポントから、ソフト・コーラルが群生するポイントなど、ちょっと離れるだけで様相の異なるダイビングが楽しめました。 ミカヅキツバメウオの群。ツバメウオはもともと好奇心の強い魚でダイバーに寄ってくるけど、ここではどうやら餌付けしてるらしく、ズ〜ッと後をついてきた。でも、私は餌はあげませんヨ〜(-_-).。oO
スカシテンジクダイの群。ユカタハタやカスミアジが目の前でパクパク補食してました。 クロホシイシモチとスカシテンジクダイの乱舞
砂地の水底にポツネンとあったイソギンチャク。イソギンチャクカクレエビやカクレクマノミの赤ちゃん、そして××などまるで集合ゆりかごのよう。 フォーティーカシータで見つけたカクレクマノミのペア。見事にポーズを決めてくれました。
ウミガメには何度も会いました。そこら中にいる…って感じです。しかも、どの個体もメッチャ大きい! そしてそばに寄っても逃げません。 ウメイロモドキの群。いつもだったら海中をサ〜ッと走り去ってしまう彼らが、この時はノ〜ンビリと移動していました。
穴の縁に指先をしばらく置いておくと、スザクサラサエビがヒョコヒョコ出てきて指先のお掃除をしてくれました。ちょっとチクチクしました。ネイルアートはやっていないそうです。 ナデシコカクレエビ…、だと思うのですが少々自信がありません。こんな時、ガイドが外人さんだと困るんです。英名ででも聞けば良かったのですが、自宅の図鑑に載ってるかと思いきや、出ていませんでした(T_T)
ホテル施設と島周辺の画像も少しピックアップしておきます。
クラブハウス内のライブラリー・ルームです。日本語の本が2/5、英語の本が3/5ほどありました。近い内にここに中国語の本も並ぶようになるのでしょうね。 プールサイドでビールを頼むと、こんな感じでビールが温まらないように出してくれます。ちなみに何も注文しないで泳いでいたら、プールから出るなり乾いたバスタオルと氷の入った水を持ってきてくれました。
島の丘に登って見た景色。木々の間を左右に延びる白い道が滑走路。この展望台の側に管制塔らしき建物もあった。 真っ白なプルメリアやハイビスカスなど花はそこら中で咲き乱れていました。カシータ室内にも毎日新しい生け花が入れ替えられていました。
こちらの人がゲッコーと呼ぶ体長は80pの大トカゲ。身体はデカイくせに、人の姿を見るとそそくさと逃げてしまうので撮影が大変だった。朝方や夕刻の薄暮になるとクェッコ〜!と泣きます。これが名前の由来だと思うのですが、決して“ゲッコー!”ではありません。“結構!”の方が近いです。 島内の道はこんな感じです。このように木々のトンネルで日射しを遮ってくれると大助かりなんですが、場所によっては日射しをもろに浴びる場所もあります。でも、各カシータには、男性用と女性用の麦わら帽子とサンダル(室内用と外履き用)が用意されています。
ピア(船着き場)からの景色です。 島の東南端付近から西方向を眺めた景色です。
島の西南端の景色です。 こちらはビーチ・クラブ前の景色。
私たちが利用したNo.17カシータ前の景色です。 連日、見事な夕景を観ることが出来ました。

【後記】
とにかく綺麗な島でした。砂浜も海も景色も申し分なしです。宿泊施設もこれ以上を求めることは不可能じゃないか…と思うくらい、広かったし清潔だったし、設備は整っていたし、虫除けから麦わら帽、サンダルからバスローブに雨合羽と、何から何まで揃っていました。
でも、私が求めるのはその様な“物”ではないのです。
使い放題のタオル、飲み放題のペットボトルもこの島の、いえ世界中の自然環境を考えれば、決して良いことではないでしょう。
唯一の日本人スタッフ・ユカさんは、私たちに(多分、全ゲストに)とても気を使ってくれました。他のスタッフも例外ではありません。
でも、島内を移動していると必ず手をあげて挨拶してくれるスタッフに違和感を感じたのも事実です。大きな木を汗をダクダク流しながら伐採していたスタッフすら、作業を止めて挨拶するのです。へそ曲がりだと言われればそうかもしれませんが、私にはその行為がとても不自然でなりませんでした。もっと多くのスタッフと、もっと自然にフランクに話してみたかったです。(2009年4月記)