茜百景のページにリンクします
ポンペイのシンボル・ソケースロックの夕景



旅先を選定していたら「ポンペイはどうよ?」とカミさんに言われ、「それは何処にあるの?」と聞き返した。
私にはまるで聞き覚えのない場所で、イタリアの火山噴火で埋没してしまった古代都市なら知っているけど、今の私にとっては訪問したいような場所ではない。ポナペとも呼ばれていると聞いて、「あぁ、そんな名前の島があったなぁ」と思い出した程度。ポナペというのは日本の植民地時代の呼称なのだそうだ。(なんでそんな名前を私は覚えているのだろう?)

そこへ行くにはグアムとハワイ・ホノルルを結ぶ“アイランド・ホッピング”と呼ばれる空路で行くしかないとのこと。
クリックすると拡大写真が見られます クリックすると拡大写真が見られます
茜百景のページにリンクします

私たちは当然、グアム経由となる。グアムからチューク、ポンペイ、コスラエ、クワジェリン、マジュロ、ホノルルと経由するドメスティック・エアラインに乗り込み二つ目だ。そういえばチュークも昔はトラックと呼ばれていたなぁ。

出発した日は深夜1時にグアム着。その日の6時にはポンペイ行きの搭乗手続きをしなくてならないので、そのまま空港で夜を明かしたが、空港ロビーで寝ていた夫婦者は私たちだけだった。
各島の滑走路はとても短いため、飛行機は滑走路の端に来ると機体をドスンッと落とすように着陸し、フル制動をかける。とても乱暴な着陸だが、それでも止まった時は滑走路の終わり。たまにオーバーランする事があるそうだ。


チュークに着いた際に空港ロビーに出てみたが、見事に何もない。女性が頭に飾る花飾りを作り売る姿が散見されるだけで、軽食どころか土産物屋も見あたらない。
クリックすると拡大写真が見られます クリックすると拡大写真が見られます クリックすると拡大写真が見られます

ちなみにミクロネシアの女性は見事な貫禄の人が多い。私の3倍ほどの体躯などざらだ。チェックインの際に便宜を図ってくれているようで、そのような女性の隣のシートは大抵空いていた。きっと肘掛けを下ろしたままでは椅子に座ることが出来ないからだと思う。

ポンペイはミクロネシア諸島の首都がある島だそうだ。しかしながらその中心であるコロニアの街は端から端まで歩いても30分ほどの、なんとものどかな街。子供達は学校から帰るとキックボールやヤシの葉で作った飛行機みたいなものを飛ばして遊んでいる。3件ほどあるスーパーマーケットを覗いても品揃えは寂しいかぎり。でも、食事は美味しかった。意外だったのはお寿司。マグロがほとんどだけれど、日本の変な寿司屋より美味かった。あとステーキも値段の割にはボリューム満点。朝から刺身定食やラーメン、っといったメニューがあるのには驚くけれど。
バスは無いけどタクシーはあって、ほとんどが乗り合いのような感じ。タクシーが来たら手を上げて止める。先客がいても座席に余裕があれば行き先を告げ、方向が一緒なら御同乗とあいなる。料金は大体、1$か2$。

↑写真は飛行機から見たアンツ環礁



最初の2泊は町中の「サウスパーク・ホテル」に投宿。パスポートと貴重品を預けようとフロントにお願いしたら、そのまま事務所の中に持っていかれてしまった。面食らい驚き、不安も残ったけれど、これがポンペイなんだと実感。野菜があまりに少ないので何故作らないのか聞いたら「何日もかけて何かを作るなんて事、ポンペイの人はしませんよ。お腹が空いたら目の前にあるバナナを食べたり、せいぜい魚を捕ったりするくらい。働かないですから」と笑って応えられた。う〜ん、何となく解るなぁ、その気持ち。

3泊目から「ザ・ビレッジ」というホテルに移動。ここはポンペイの伝統様式に則って作られた高級ホテルと聞いて来たのだけれど……。クーラーもテレビも無い。しかも窓はあるけど網が張ってあるだけ! 4日目の朝はスコールの雨の飛沫が顔に当たって目が覚めた!!!!
テレビも音楽も活字もない生活ってのも、たまには良いかもしれない。時間の流れが実感できる。

それにしても何も無いってのは結構怖いものだ。夜中は月が無ければ漆黒の闇だし、ジャングルの中の自然の音がこんなにも大きいとは知らなかった。
夜中に枕元でガサガサと何か動物が動く物音。多分、上の写真にもあるようなトカゲかネズミの類が枯れたバナナの葉でも踏んでいるのだろうけど、心臓によくない。深夜、何度かドキッとして飛び起きた。
自然が一杯だと飼われている動物達ものびのびとしていて、このホテルの犬や猫といったペットたちは良い面構えをしていた。ホテルで飼われていた犬・ファイド(雄)とサッシー(雌)は滞在中、常に私たちの側を離れなかった。


ダイビングと自然の中での時間を楽しむ以外、ポンペイには何もない。唯一と言っていい観光はナンマドール遺跡ツアーくらいのもの。私たちが訪れた際にはポーランド人らしきご老人達が一緒だった。英語も通じないので通訳が同行していた。私たちはツアーの段取りが判らずに、随分と余計な物を携帯して行ってしまった。もし、ナンマドール・ツアーに行かれるなら、1.濡れても大丈夫な服装で 2.日陰が殆ど無いので万全の日焼け対策をし、 3.突然の雨対策(雨が降るときは大抵風も強いので傘は不向き)を忘れずに!
クリックすると拡大写真が見られます
↑ナンマドール遺跡の入り口
クリックすると拡大写真が見られます
↑ケプロイの滝

↑まるで原住民の小屋のようなコテージ

↑窓わくには虫よけの網だけ

↑寝るときは天幕を張って

↑月の無い夜には満天の星空が

↑いつも側にいたファイドとサーシー

↑雨の中笑って手を振ってくれた子供達

9月20日(土曜)
パルキルランデブー


気温:33度 水温:水面30度 水底:30度 最大水深:22.9m 平均水深:12.6m 透明度:40m 潜水時間:42分 
ドッカ〜ン! と抜けていた。海はこうでなくっちゃ! イルカのお出迎えもありました。 

観られた魚たち:イルカ、グレイリーフシャークの群、ササムロの群、ハナゴイの群、アカモンハタほか
9月20日(土曜)
ケーパラ

気温:33度 水温:水面30度 水底:30度 最大水深:37.9m 平均水深:16.6m 透明度:30m 潜水時間:39分 
光が射していれば最高のコンディションだったのに残念ながらエントリーと同時にスコールが 

観られた魚たち:シコンハタタテハゼ、フレームエンゼルフィッシュ、ハタタテハゼ、イエローストライプフェアリーバスレット、ニチリンダテハゼ、クロユリハゼ、ハナダイ、バートレットフェアリーバスレットほか
クリックすると拡大写真が見られます クリックすると拡大写真が見られます
9月20日(土曜)
パーラン

気温:33度 水温:水面30度 水底:29度 最大水深:16.8m 平均水深:9.4m 透明度:40m 潜水時間:38分 
優しいリーフの上での遊泳。光が射し込みきれいだった。魚の種類も豊富でズ〜ッと潜っていたいポイント

観られた魚たち:シコンハタタテハゼ、グレイリーフシャーク、アオマスク、メガネモチノウオ、バタクーダ、ホオスジタルミ、マダラタルミほか
9月22日(月曜)
マンタロード

気温:25度 水温:水面30度 水底:30度 最大水深:19.9m 平均水深:12.7m 透明度:8m 潜水時間:42分 
ブラックマンタに会いたくて来たポンペイだけれど、残念ながら現れず。でも、初のマンタに会えたから良しとしよう。

観られた魚たち:オニイトマキエイ、クチナガイトヨウジ、アカフチリュウグウウミウシ、ソラスズメダイほか
9月22日(月曜)
パルキル


気温:24度 水温:水面30度 水底:30度 最大水深:32.3m 平均水深:17m 透明度:25m 潜水時間:40分 
流れに乗ってやって来る大物たち。豪快なポイントだった。

観られた魚たち:マダラトビエイ、グレイリーフシャークの群、バラクーダ、ホソカマスの群、カンムリブダイ、コクテンフグほか
9月22日(月曜)
ナオちゃんポイント

気温:26度 水温:水面30度 水底:30度 最大水深:12.6m 平均水深:8.6m 透明度:10m 潜水時間:42分 
小物たちが集うマッタリ・ポイント。もう少しのんびり潜らせてくれれば良いのになぁ。

観られた魚たち:ヤマブキベラ、ソラスズメダイ、トサカリュウグウウミウシ、スポテッドシャープノーズバファー、ツブツブコイボウミウシ、イッセンタカサゴ、イソギンチャクモエビ、サラサハゼ、オグロクロユリハゼほか
【後記】リーフシャークの群やニチリンダテハゼ、シコンハタタテハゼ、マダラトビエイにオニイトマキエイ……どれもこれもカメラの調子が悪くて良いカットを押さえられなかったのが残念。次回、もしもチャンスがあればアンツ環礁の方を潜ってみたい。