友人がテニアン島で開催されるトライアスロンに出場するというので、応援がてら潜りに行くことにした。昨年の11月にもその友人はロタ島での大会に参戦したのだけれど、11月のロタ島はあまりダイビングには向いていないこともあって、その時は断念したのだった。    テニアンならば2月でも海況さえよければ、北部のポイント、グロットやフレミングにも潜れるだろうし、滅多に潜れない南部のポイントにも行きやすい。そんなわけで急きょテニアン行きを決めたのだけど、トライアスロン出場者と中国の正月休みに重なり飛行機は満席だった。 
日本からサイパンへの便は限られているから、代替便もない。はてさてどうしたものか、と思案してたらビジネスクラスなら何とか座席の確保が出来るようだとかみさんから連絡があった。「そんな贅沢するくらいなら、その金で他所に潜りに行く」が私のモットーなのだけど、今回だけは禁を破って贅沢することにした。とは言ってもマイレージ利用なんだけど。
サイパンまでの足は確保できたけれど、今度はテニアンからサイパンへの戻りが怪しいという。トライアスロン出場者も同じ日に戻るので、帰りの飛行機(これがまた小さい!)がピストン輸送になるので何時に乗れるか分からないという。フリーダムエアーが一般的だが、テニアンのホテル経営スターマリアナエアーがもう1社ある。ホテル宿泊者を優先して乗せてくれるスターマリアナエアーの予約をすることにした。しかし予約完了がハッキリするのは出発数日前だというし、一昨年には墜落し死傷者を出しているし、まさにハラハラドキドキな航空会社なのだ。
 
スターマリアナエアーの6人乗り飛行機 
テニアン空港の待合室  テニアンには何度も潜ってはいるけれど、テニアンステイはこれが2回目。初めて訪れたのは6年前の2008年9月だった。6年ぶりのテニアンは、ちょっと見にはまるで変わっていないようだったけれど、記憶というものは、実はとても不確かなものだと気付いた。初めてテニアン島を訪れたときこの島を観光したのだが、6年振りに見たテニアンは、自分の頭の中に残っている記憶とはかなり異なるものだったのだ。
テニアン空港はこんなに明るいものではなかったし(と記憶してた)、メインストリートのブロードウェイストリートが、あんなにきついアップダウンがあるという記憶は私の中に残ってはいなかった。
一見なにも変わっていないような、時間など存在しないような島だけれど、やっぱり時の流れは厳然と存在し、怪しげな私の記憶だけをそのままにして島に変化を与えていたのだった。6年前、14人いた日本人は11人に減っていたし、何度か行ったレストランも、その隣にあったお店も店を閉じていた。
6年前に帰路で使用したフェリーは、あの頃はたくさん乗客いたのに経営成り立たず廃船となっていた。それでも島の空も海も、テニアンの自然だけは昔のまま残っている。
6年前に泊まった時はガラガラだったダイナスティーホテルは、トライアスロン出場者の何倍もの中国人と韓国人でいっぱいだった。このホテルも6年前に来たときに「でっけえなぁ!」とは思ったけれど、再度しげしげと見れば、“馬鹿”が付くほどの意味の無い大きさ&広さだった。食事は前回来たときは、その不味さに辟易して外のレストランに出向いたのだけれど、今回はさほど不味いことはなかった。なんでもオーナーが代わったらしい。
前回泊まった時に不気味な体験をしたのだけれど、今回は隣室の声に早朝まで悩まされた。前回は隣室に客がいなかったから気付かなかったけれど、壁がものすごく薄い。ベニヤ板一枚のような壁でヒソヒソ話しさえ聞こえてくる。ベッド側のゲストは韓国人。テレビ側のゲストは欧米人のようだった。
 
タガビーチから山羊島を望む 
ダイナスティーホテルのエントランス ダイバー以外のほとんどのゲストにとって、一番の目的はカジノだから行動は私達と真逆になる。深夜部屋に戻ってきて昼まで寝てる。ちょうど私の就寝時間が彼らのご帰還時間となる。耳栓が連夜、活躍した。

翌日。ダイビングから戻るとトライアスロン出場者達がホテル前に集合していた。その中に私の友人もいた。運んできた自転車(彼らはバイク、と言う)を組み立てていた。ダイバーも、特にカメラ派のダイバーの機材も多いが、彼らも運搬は大変そう。大きなバイク用キャリーバッグがホテルの入り口にいくつも並んで立て掛けてあった。
その翌日、彼らは朝から試走に試泳と元気いっぱい。2月といってもテニアンだ。日射しは日本の7月くらいで日中は気温も30℃近くまで達する。朝から走って泳いで……。私にはその気力も体力も無い。炎天下は大の苦手だ。だけど水中となれば話は別で、私もこの日は4ダイブと頑張った(^^;)。
ダイナスティーホテルには中華料理、日本料理、欧米料理のレストランとカジノの中にもレストランがある。前回はほとんど外食だったけれど今回は昼食を除きホテルで食事を済ませた。朝のブッフェは今だにイマイチだけど味は良くなっていた。ホテル正面のブロードウェイストリートを右に5分ほど歩くと日本人経営のガーデンレストランが、サンホセの町中(村中?)にもJCカフェというレストランがある。
使用した部屋のバスタブの栓が壊れていて湯船の使用が出来なかったのも不愉快だったけど、一番はWifiが有料だったこと。12時間$10だった。海外パケホより得かとは思うけどメールのチェック程度で$10はないよなぁ。オーストラリアでもそうだったけど、チャイニーズ経営のホテルではこれが当たり前らしい。部屋に設置されている電話機も、回線が悪く声が聞き取りづらくダイヤルも指示通りに使用してるのに外線につながらなかった。好みのホテルではないけれど、悲しいかなテニアンにまともなホテルはここしかない。
このトライアスロン、いったいどのくらいの距離を泳ぎ走るのか聞いたら、スイム=1.5㎞、バイク=40㎞、ラン=10㎞も走るのだそうな。スタート直後のスイムでは、潮流で折り返し地点のブイがどんどん流され遠くなっていっていた。泳ぐ距離が増えたことは当然だし、折り返せばそれだけの潮流に逆らって泳がなくてはならない。参加した友人は「泳いでも泳いでも前に進まなかった」と言っていた。
自転車だけならサイクリング気分で参加しても良いけど、泳ぎも走るのも私には無理だ。敬服のひと言につきる。ゴールした後のその達成感はさぞやとは思うけれど、私にはそれぞれ1/10の距離でないと完走はおぼつかないだろう。
順位ではなく、自己タイムへ挑戦する姿は私にも元気を与えてくれた。
ハナビラクマノミ
ナンヨウハギ幼魚とフタスジリュウキュウスズメダイ ダイダイヤッコ
フタイロハナゴイ モンツキカエルウオ
ベニツケタテガミカエルウオ クロガネスズメダイ
ハナゴイ テングカワハギ
ムスメハギ モンガラカワハギ
キイロハギ コガネヤッコ
デバスズメダイ ミズクラゲ
アオウミガメ
クエストD 浦島
チムニーS
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